月姫譚-ツキヒメタン-

□08.狂遊戯の始まり
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不二の声を遮り、小動物を思わせる小走りでこちらに向かってくる少女。



厚化粧に、腰まである茶髪の巻き毛。甘ったるい猫なで声。



彼女の名は、「姫宮亜美華」。
神楽と伊織が心底憎む、





―――---…[魔女]。




菊「亜美!!
遅かったニャ〜♪待ちくたびれたぞっ!」



姫「ごめんなさい英二先輩vV
掃除が長引いちゃいましてぇ〜v」



手「…姫宮…」



姫「あ、手塚先輩!
遅刻してすみませんでしたぁvV
次から気を付けますぅ〜vV」


手「…ハァ…もういい。
姫宮、今日からこの2人が新しいマネージャーになる。色々と教えてやってくれ」

姫「へ?」

神楽と伊織の存在に気付き、姫宮はじっと見つめる。
引きつりそうになる顔を必死にこらえ、2人は姫宮に話しかけた。


『…初めまして、姫宮さん。
私は3年の剱持神楽っていうの。今日からよろしくね?』


姫「…こちらこそ、よろしくお願いしまぁすvV
剱持セ・ン・パ・イvV」



姫宮は、まるで新しい玩具を見つけた子供のように、楽しそうに笑った。
青学レギュラー陣には、見えないように。


だが、伊織はその表情を見ていた。

神楽から引き離すかのように、自分から姫宮に近寄り、話しかける。



伊「姫宮さんっvV
僕は七海伊織!菊から話は聞いてるよv本当可愛いなぁ〜vV」


姫「え?
あ…ありがとうございますぅ〜vV」



姫宮は満面の笑みを浮かべて、神楽から離れていった。
途端、大きい溜め息を吐く神楽。



『(…感謝するわ、伊織…)』


不「…神楽…大丈夫…?」

手「無理はするな」

不二と手塚が小声で神楽に話しかける。
幸いにも、姫宮と青学レギュラー陣は話に夢中で気付いていなかった。


その中心にいる伊織に、神楽は視線を向ける。



『私は大丈夫…でも、伊織が、ね…』


不「クスッ…そうだね。
可哀想に…あんな低能な奴等と雌豚の相手なんてねvV(黒笑


『(…周助も黒属性か…)』←慣れた


手「…ι(滝汗)」



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