月姫譚-ツキヒメタン-

□06.双月の騎士
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午前の授業は全て終わり、今は昼休み。
教室では女子がお昼を食べようと机をくっ付け、男子は購買へ向かおうとしている姿が見える。



そんな中で、神楽は一人でいた。地味に変装しているからだろう。
それでも誘ってくる何人かを軽く断り、神楽は不二に話しかけた。



『…不二くん、ちょっと話があるんだけど…いいかな?』



不「え?
…うん、いいけど…話って?」



神楽はクスリと小さく笑い、不二の耳元で囁いた。



『有吉澪の事で、ね…。
手塚くんと越前くんも連れてきてくれると、嬉しいな。


…屋上で、待ってるわ…』


不「っ!!!君は…何を…!!」


『詳しくは後で、ね?』



神楽に不信感を抱きながらも、不二はおとなしく従う。


不「…っわかった…」



携帯を取り出し、電話をかける。
神楽はそれを見届けると、もう一人のターゲットの元へと足を運んだ。



『…ちょっと、いいかな?











…七海、伊織くん?』



七「…ん?何かな?剱持さん」


『話したい事があるの…。一緒に、屋上へ来てくれる?』


七「…うん♪わかった、行こ?」



七海は人の良さそうな、愛くるしい笑みを浮かべた。
不二に視線で合図を送ると、神楽と七海は教室を出て、屋上へ向かった。



―――--…



目の前には、屋上へと続く扉。
だが、その扉は鎖と錠前で頑丈に封鎖されている。


『…そこまでして、屋上へ通したくないのかしら…』


神楽は呟くと、ポケットからピンを取り出し鍵穴に差し込む。
七海はその光景を見ているだけだった。



―カシャ…ン―



容易く錠前を外した神楽。
がんじがらめに張り巡らされた鎖を外し、乱暴に投げ捨てる。扉を開けると、2人は迷うことなく屋上へ進んだ。






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