月姫譚-ツキヒメタン-
□02.烏の便り
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目の前には、澪のいる病室。
覚悟を決めた神楽が、扉を開けた。
…最初に目に入ったのは、
ベッドに横たわる、変わり果てた澪の姿。
その周りには、氷帝と立海の奴等がいた。
神楽がゆっくりとベッドに近付いて、そっと澪の頬に触れる。
『…冷たい…』
そう言った神楽の声は沈んでいて、本当に澪は死んだんだと、実感させられた。眠っているようにしか、見えないのに。
周りを見れば、辛そうに顔をしかめる奴や泣いてる奴がいた。
精市や弦達、立海メンバーも、景吾や侑士達、氷帝メンバーも、天地の奴等も…神楽も…皆…凄く苦しそうで、辛そうな顔をしてた。
きっと俺も、同じような顔をしてんだろうな…。
魅「…精市先輩…澪先輩…何で自殺したんですか…?」
魅咲が、小さいけどはっきりした口調で精市に問う。
幸「ぇ…ぁ…澪、ちゃん、は…」
精市は目を伏せて、答えようとしない。言いたくても言えない。そんな感じだ。
そんな精市を見て、景吾が口を開く。
跡「幸村…俺が言う」
精市の声を遮った景吾もまた、辛そうな顔をしてた。
跡「…アイツは…澪は…
青学で、酷いイジメにあっていたらしい…。
それが原因で、屋上から…」
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