適当二次小説

□第六節
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第六十三 『未来という名』














とある別世界



それは今とは違っていて違わない


とある世界のまた未来の世界



化学が生きて、理論が渦巻き、

幻想という名とはとうにかけ離れた世界



ほとんどが超技術、高性能機械で統括されたこの世界では、
非化学的なものは排他されてしまう世界であった。


そして世界が機械技術で統括された人間達は

様々に渡って論理を展開していく、
いや、していかざるを得なかった。



要するに暇だったのだ




この世界にも様々なビジネスがあったが、働く者は小数、

それに、ビジネスといってもほとんどが裏の仕事であったり、何かと危ないものばかりであった



そんな停滞した世界で、今、妙な論争が巻き起こっていた




それは


「幻想は存在した!」

「幻想など存在しない!」


という二極の主張、



ここでいう幻想とは、化学的でない全てのものを指され、
魔法など当然の如く、機動物無しでの飛行は勿論、超能力なども全て含まれる。



よくよく考えれば実にくだらないのだが、機械に統制を任せて論争を繰り返してきた人間は、
もうその論争のネタもなく、

掘り出してきたくだらないネタを大きくして争う事を繰り返していたため、どんなものでも狂ったように争うのが習慣となっていたのだ。



今回はたまたまそれがネタになっただけであった




そして今日も、論争は巻き起こる



それは、巨大な円筒状のホール内で行われていた

「魔法など今までに見たことがあるのか!」

「目で見た事が全てではない!過去には存在した可能性は十二分にある!」

「証拠もなしに語るな!


「そっちこそ無かったというはっきりとした証明は出来てはいないじゃないか!」

「そんなものは屁理屈だ!あるという証拠がない限りは無いという証明になるだろう!」




…などと、

水掛け論が無限に続くかと思われた


しかし、一人の男が前にでる


「…ここに古い一冊の蔵書があります」


一瞬静まり返る構内

やがて口を開くものが現れる

「…それがどうしたというんだ。」


その問いに、本を持った男がはっきりと発言をした


「この本こそ! 幻想なるものが存在していたという証拠である!」



構内は騒然となった


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