山獄
□パズルのピース side G
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雑誌を読んでる野球バカの頭を見てふと思いついたこと。
くだらねぇ、ホンットくっだらねぇ事だけど、気になりだしたら確かめずにはいられなくなって、俺は山本をこっちに呼び寄せた。
「山本、ちょっとこっち来い」
「えー?何で?」
何でって…答えられるかんなこっ恥ずかしい事!
早くしろ!って何とかはぐらかした。
「そこ座れ」
雑誌を置いて俺の目の前に来た山本にそう指示すると、まるで犬みたいに従った。
…つーか何で正座?もしかしてコイツ、俺に怒られるとか思ってんのか?
面白いヤツ、何て思いながら、頭を引き寄せて自分の腹に押し付けた。
あー、やっぱり
絶対フィットすると思ってたんだよな、
俺の鳩尾と、コイツの頭
バカな事してるよな、俺。と、自分で自分を笑っていると、下から聞こえてきた、俺以上にバカなヤツの声。
「ごく、でら?」
…声上擦ってんぞバカ本。何緊張してやがんだよ。
もしかして、コレやられんの嫌だったとか?よっぽどさっきの雑誌読みたかったとかか?
山本の困惑した目をみると、どんどん不安が溢れてきて。
思わず俺は不満げな声で山本に尋ねた。
「…嫌かよ」