文
□狙ってない?
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「……おはよう、晋助。」
今、目の前の晋助を起こそうと声を掛けているのは、昼の12時。
俗に言う、『お昼寝』の時間にあたっているのに、布団を被った晋助は身じろぎ一つしない。
「お腹、減らないでござるか?お昼ご飯は?」
「………いる。」
小さく、もぞりと布団が動くと、晋助がすぼっ、と首から上を出してきた。
「………待ってる。」
顔のでた布団の端を握りしめ、寝起き特有のトロンとした瞳に見つめられたら………
ノックアウト寸前の万斉さんは、昼食を作りに部屋を出た。
逃げるように速く、若干前屈みで。