文
□I'm home!
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重い扉が開いた気がした。
バターーン!!
ガタガタッ……ゴトッ!バゴォオン!!
「っぎゃあぁぁあ!!!」
頭の中に響く有り得ない騒音に、アレルヤは堪らず大声を上げた。
4年振りに帰ってきた半身は、やけに生き生きと生活を再開し始めている。
轟音と共に襲う頭痛に耐え切れず、ハレルヤに叫ぶように抗議した。
「っハ……ハレルヤっ!痛い!頭がいたいっっ!!」
『あ゙ぁ?ごちゃごちゃうるせーよ、雑念の塊め!!4年間こっちの空間をほったらかしにしといた罰だ!』
うぅ、とアレルヤは言葉に詰まる。
それもそのはず。
ハレルヤの居なかった4年間、アレルヤは精神空間に落ちる事はなかった。
それに、あの空間に何か起こるとも思えなかったから……。
あまりの痛さに涙目涙声になりながら、アレルヤは必死に聞いた。
「一体、何してるのさっ……い゙ぃ゙ぃい゙った!」
『片付けだっつってんだろ、バカルヤァ!』
ガッシャーン!
「ひィィいっっ!!」
ぎゅっと瞳を閉じて空間を覗いてみると、ハレルヤはちゃっかり新しいコスチュームを着込んでいた。
くそぅ。
腕まくりしている格好が、様になってるよ……
彼が言う"掃除"は、空間の壁を剥がす行為だった。
真っ暗な中から、黒い何かを剥がしている。
どうやらそれが剥がれる度に、酷い頭痛が襲うようだ。
『おい!見てんだったら手伝え!』
「無理言わないでよぉ!」
『寝て体を離しゃいいだろ!来やがれェ!』