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□飼ってもいい……?
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ただいま、と言って早々、こんな表情をしたのは久しぶりだった。
…その的になっている同居人がヘラヘラと笑っているのが、ますます憎たらしい事この上ない。
「銀時…テメー、ソレどっから拾って来やがった…!」
同居人、坂田銀時の胸に抱かれて、気持ち良さそうに目を閉じている物体。
「あー?見りゃ分かんだろ。ネコだよ、ネコ。」
「そんな事誰だって分かるだろうが!捨ててこい!!」
声を荒げた高杉は、銀時を怒鳴りつけた。
……しかし銀時に反省する様子は皆無。
頬を膨らませ、猫の首の下を撫ぜながら猫に話し掛ける。
「このお兄さん怖いねぇ?しいちゃん?」
それを聞いた瞬間、高杉は自分の顔が引き攣るのを感じた。
「名前まで付けやがって…!テメーごと捨ててやろーか?!」
「なーにが気に入らないんだよ。晋助の'し'を取って、しいちゃんにしたのによー。」
ブチィ………
額の横、こめかみの青筋が勢い良く立った。