終焉の鎮魂歌<レクイエム>

□第四楽章
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雨が降ったのか、ぐしゃぐしゃになってしまっている地面を踏みしめながら、アレンは地図を片手に、早足に歩みを進める。
師から自分に何か用があるのだろうから、恐らく今、町では三人の仲間だけが戦っている。

早く戻らなければ…

そんな想いが、アレンの歩みを速くさせた。



暫くすると、多少目の前が開けてきた。
どうやら目的の場所に着いたらしい。

「師匠…?」

小さく師を呼び、アレンは泉の畔に立って辺りを見回した。

泉の周りに鬱蒼と茂る森。
綺麗に澄んだ泉に映る白い月。
そして、不自然なまでに綺麗な円を描いた泉。

何処か神秘的なおぞましさを漂わす場所に、アレンは小さく身震いをした。

「師匠…っ」

急に不安になり、アレンは少し大きめに声を上げる。
すると、その声に答えるように、背後に人の気配が現れた。

「師匠…?」
「よぉ、少年」

だが、少しほっとしたような声に答えたのは師ではなく、敵であるノアの青年、ティキミックで。
慌てて左腕を構えると、自分を挟むようにして、もう一人の敵が現れた。

「残念だったね〜…師匠じゃなくてぇ」
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