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□風船に触れた針
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何も知らないクセに…。

冷たく紡がれた言葉に、軽蔑と深い悲しみが刻まれていた事に、そう言った彼の心の傷に、やっと気がついた。


ひらりひらりと舞い散る花びらの様に、掴もうとしても掴めず、追おうとしても追えない。
儚く消えていきそうな背中を見つめたのは、これが初めてだった。

ああ…
自分は儚く散る花など知らないけれど、
君の国にあるという"サクラ"は……

きっと、君にそっくりなのだろう。
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