Gift
□向日葵
1ページ/4ページ
きっかけは僕のヤキモチ。
【-sunflower-】
「おい、何拗ねてやがる……こっち向けよ」
「ヤです」
久しぶりの、ふたりそろっての休日。外は暑いだの、めんどくさいだの言う神田を引っ張って僕たちは街に来ていた
嫌がりながらも僕の隣を歩く神田がいて、穏やかな時間が過ぎていった
ふと目に付いた雑貨屋のショーウィンドウに心奪われていると、後ろに居たはずの神田がいなかった
「(あれ……もしかして置いていかれた!?)」
焦って周囲を見回すと、10メートルも離れていないところに神田の姿があった
それで、そこの店員さんと神田が仲良さげに話してた。……たったそれだけの話
「いい加減にしねぇと帰るぞ」
「………。」
僕はまだ雑貨屋の前を動かずにいた。こんな状態が30分くらい続いてる
「………ちっ、」
舌打ちと僕から離れてゆく足音。
それを聞いて僕は無性に泣きたくなった
.