Present

□神田誕生日企画(友人と合作)
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「ん…」
ごろりとベットの中で寝返りを打つ。
昨日は、少し熱っぽかったので、コムイから薬を貰い早々に床についたのだが、まだ熱が残っているのかふわふわと浮いている感じがする。
しかし、起きなくては何も始まらない。
心地好い温かさを与えてくる掛布団を勢いよく剥ぎムクリと起き上がる。
何故か着ていた寝巻きがズルリと肩から落ちる。
「…あ?」
その上、体を支える手が、とても幼く見える。 …と言うより、自分の体が極端に小さくなってしまっているようだった。
「は…?え?」
理解の出来ない現象に戸惑っていれば、ドアがノックされラビが入って来た。
「ユウ。おはよう…」
ラビさへも目の前の光景に唖然とする。
「ユウ。なん……。」
神田もこんなガキになってしまっては、ラビも呆れるだろうと思い、ツキンと痛む胸を抑える。
「ユウ。お前……めっっちゃ可愛いさ。完璧ストライクさっ。」
ギュウと苦しい程に抱きつかれ、普段なら膝蹴りの一発でも食らわせているところなのだが、先程の胸の痛みのせいかおとなしくラビの腕の中に収まる。
「でも、ユウ。なんで、こんなちっちゃくなったんさ?」
「知るかよ。変な物も食ってねぇし……あ、薬。…つーか離せ。
斬るぞ」
依然、抱きつかれままの体制の神田は、一向に緩まない腕の中でもがいた。
「も‥ユウ。そんなに暴れなくてもいいさ。さっきはおとなしかったのに。」
「るせぇっ、いい加減離せ。刻むぞ。」
いくら怖い脅し文句を言おうとも、照れて赤く染まった顔と、見た目10歳程度の体型では可愛さの方が強い。
「で、薬がどうしたんさ?」
抱き締めたまま問えば、僅かに抵抗が弱まる。
「昨日、熱っぽかったからコムイに薬貰ったんだよ。」
「ユウ。絶対それさぁ。」
と言うより、それ以上説得力のある原因なんて思い付けない。
「コムイの野郎」
「俺的には、おいしい出来事さ。」
腕の中に収まったままの神田に、着替えを促す。
何しろブカブカの寝間着姿の上、普段より柔らかく見える瞳が合わさり、先程から押し倒してしまいたくてうずうずしているのだ。実行に移れないのは、視界にちらつく六幻のせいだ。
「ラビ、誰にでも良いから服借りてこい。でかすぎる。」
チッと舌打ちをした神田は、普段着ている白のYシャツをはおった、と言うところで、長すぎる裾が膝ほどまであり、袖も小さくなった神田の手を覆い隠すほど余っている。ビジュアル的に刺激の強すぎるそれに、ラビは息を
飲む。
「っ…ユウ。ヤバイさ、それ」
「なにがだよ。早く借りてこい。リナリーらへんが何か持ってるだろ。」
本人は、普段道理接しているのだろうが、体が小さくなった為に、その動作全てが可愛い。
膝に触れてくる小さな手にも、上目使いに見てくる瞳にも、ドキドキしてしまう。
「もう我慢できないさっ」
グイと小さな手を引き、逃げることの出来ない様に胸へ抱き込む。
そのまま唇を重ね、舌を絡める。
「フッ・・ゥム、ンンッン…ラビ・・やめっ」
抵抗しつつもだんだん体から力が抜けていく。 ややあって、名残惜しさを感じながらも体を離す。
「ッハァ、にすんだよ。」
濡れた唇を手の甲で拭きつつも、腰が抜けたのかラビの膝に腰掛けるような体制になっている。
「ワリィ、ユウ。我慢できなかったさ」
耳郭をパクリと食(は)み、舌でくすぐれば目元にあった険がとれ、ふわりと甘くなる。
「も、早くリナリーのとこ行ってこいっ」
くるりと背を向けてしまった神田の髪をクシャと撫で、部屋を後にする。
部屋には顔を赤く染めた神田が残された。
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