終焉の鎮魂歌<レクイエム>
□第八楽章
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「何故さ?ロードやティキの可能性も…」
「ないとは言わないけど、殺され方が全く違うんだ。ノア自身は戦ってないみたいなんだ。」
「ティキやロードだって戦わないかもしれないさ」
「でも残酷な殺し方をする。でも今回はみんな一発で殺されてる」
「何でそんなこと分かるの…?」
「みんなフードだけ吹き飛んでいたんだよ」
頭を狙わせて一発。
残酷ながらも、一番慈愛に満ちた殺し方。
その甘くも残酷な言葉に、神田は小さく彼の名前を囁く他無かった。
「モヤシ……」
彼は人を大切にする想いを忘れてはいない。
淡い色の期待の炎はまだ灯されたばかりで。
それにかける彼の師はその炎がより大きく輝く事を望んでいる。
誰が裏切り、誰が裏切られるのだろうか
神田の心はそんな問いを繰り返すだけだった。