無限ノソウル
□It has done!
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やっ
……………て、しまったのか!!?
真っ青になりながら一人用とは思えないベッドの上で辺りを見渡した。
隣で眠る人物のせいでコトは確定済みだが全く記憶がない。どうしよう、やっぱり服着てない。
頭痛がするのは昨晩のアルコールのせいで…あぁ、でもやっぱりどうしよう。何も覚えてないのは痛すぎる。
取り敢えず、恐る恐るベッドから足を下ろしてその下に脱ぎ捨てられている服をかき集め始める。あぁ、なんてはしたない事をしてるんだ自分。しまった、なんて色気の無い下着…!!
「白か」
「!!」
唐突に掛けられた声に背筋を正してただ冷や汗を流した。…起きてる、起きてるよこの人……。
「……べ、ベルゼーヴァ殿、いつ起きて…」
「今だな。君がベッドを下りるから、その揺れで」
上半身を起こす彼に視線をやれば、シーツの下から現れた無駄の無い筋肉がついた体が見える。…細くて、でも男性らしい綺麗な体。
髪を下ろした姿はいつもと違い、またこれも色っぽい。
「もう服を着るのか?まだゆっくりすればいい」
「いえ、も、もう結構です!!早々にお暇させて貰い―――」
「昨日あれだけ呑んで、体調が大丈夫とは思えないが」
「………私、そんなに呑んだんですか」
そう問いを投げると、彼は理解済みだったかのように目を細めた。
この人はどこまで覚えている?酔っていた私の馬鹿者、何故この人に呑ませなかったんだ。
「リキュール一本を一気呑みしていた」
「……………………。」
「まだ辛いだろう?相当顔色が悪い―――早くこちらに来たらどうだ?」
そんな酔っ払いに、何してるんですかベルゼーヴァ殿。
こんな、こんな仕打ちって無い。なんで悲しくも好きな人に酔った姿見せて、何も覚えてなくて、介抱されて、…………。
「……いつまでそのままでいるつもりだ?」
「え?」
『そのまま』の意味が解らなかった。
ふと自分の躰を見て視線を下に辿っていけば………
「―――――っ、きゃぁぁあああっ!!!」
素っ裸な自分の事を思い出し、手の中にあった物を思い切りベルゼーヴァ殿の方へ投げた。
「……そうか、君は何処までも私を誘っているらしい」
「え」
更に嫌な予感。寧ろ悪寒。
――――投げたもの……しまった!下着だ!!
…そうして二回目の絶叫をあげるのだった………。
終了。