短編小説 U

□Laugh at contradiction
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会社をクビになった。
理由はあって無い様なものだ。
上司と喧嘩したのである。
最初は意見の食い違い。
それが口論に発展し、終いには只の口喧嘩と成り果てていた。
確かに私が大人気無かった部分もあっただろう。
しかし、私は間違っていなかった。
私の意見は採用されたのだから。
にも関わらず、クビになった。
機嫌を損ねた上司の進言により、採用された報告書はたかだかニ、三万の端金で買い取られ、私はあっさり会社から捨てられたのだ。


「…何なのよー!」


思わず叫んだ私に、人々の白い目が向けられる。
可笑しなものでも見る様な、哀れむ様な視線が突き刺さる。
可笑しいのは私か。
哀れむべきは私か。
矛盾しているのは私だと言うのか。
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