短編小説 U

□24時間後の終末
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「…誰かと付き合っとけばよかったなあ。」


今更ながらにそんなことを思うあたしは、この瞬間、世界で一番の馬鹿者ではなかろうか。
其処彼処で、人々は愛を語らう。
24時間後の終末と結末を憂う。
羨ましい。
一番に思う誰かがいないあたしは、語らうことも憂うことも出来ないのだから。
思いを馳せる相手は愚か、行きたい場所さえも無いのだから。


「…あーあ。」


残された時間で、こんなくだらないことを考えるとは。
それこそ大概くだらない。
誰かや何かを羨ましがって、あたしは終わりを迎えるのか。
無いものを今更欲しがってみたりして。
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