短編小説 U

□有刺鉄線に啼く
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どんよりとした曇り空を頭上に、道端を歩く。
酷く落ち込んだ気分だ。

仕事で昨日、失敗をした。
それは些細な失敗。
それでも、些細なこと程人間てものは気が滅入ったりもする。


「お前がこんな失敗、珍しいな。」

「たまにはそういう時もあるわよ。」


そんな慰めの言葉を思い出して、酷く苛々とした。
俺の何を知って、そんな適当な言葉を羅列させるのか。
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