短編小説 U

□妄執うさぎ
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彼女の目の下には、隈が出来ていた。


「あたし死んじゃうんだわ。」


思い出したかの様にそう言った彼女は、どこか虚ろに遠くを見ていた。


「何で?」

「妄想という名の睡眠不足よ。」


尚も遠くを眺めるそれは、もはや焦点を結んでいない様にも思えた。


「妄想で?」


妄想で眠れないということだろうか。
どうも理解に苦しむ。
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