短編小説 U
□曖昧 ヲ 笑 エ。
1ページ/6ページ
ちい子は歩いている。
どんっ。
ぶつかった。
「あ、すみません。」
「死ね!」
ぶつかってきた男に罵声と一緒に唾を吐き捨てた。
ちい子は歩いている。
向かいの通りで、路上アイドルが振り付きで歌っている。
「○○ちゃーん!」
「可愛いー!」
「死ね!」
走り寄ってファンの頭を罵声と一緒にどついた。
そのまま猛ダッシュで逃げる。
ちい子は歩いている。
踏切で大荷物のお婆さんが困っている。
「すみませんが…。」
「うるせえ!」
荷物を踏切向こうに放り投げた。
猛ダッシュで逃げる。
電車が来た。
ぐしゃっ。
嫌な音が後ろでした。
ちい子は歩いている。
「切ない。」
ちい子は歩いている。