短編小説 U

□Laugh at contradiction
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どうしたって世の中は矛盾で形成されているのだ。
そんなことを考えて道端でうずくまる私は、抗うことさえ出来ずに悔し涙を飲むばかりだけれど。
汗ばむ手で握り締めたままの携帯。
何度目かの視線をその画面に投げて、諦めと共にバッグの中へと押しやった。


「…何で。」


行き交う人々の視線が突き刺さる。
苦々しく呟きを洩らせば、それはより顕著なものとなって、私に突き刺さる。
他人など関係無い。
気にしていられる程、今の私には余裕など無かった。
それ程までに、私は矛盾と言う名の実体の無い現実に打ちのめされていた。


「…私、頑張ってたよね…?」


自問自答程、愚かしい真似など無いが、そうでもしなければ誰が慰めてくれようか。
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