短編小説 U

□24時間後の終末
1ページ/3ページ

只ぼんやりと、煙草をふかす。
只ぼんやりと、空を眺める。
何が出来るか。
何がしたいか。
何もありはしない。
何も解りはしない。
只。
空はこんなにも、ひたすらに青い。



誰が想像しただろうか。
詳しいことなど知らないが、この世界は終わるらしい。
たった24時間後に、終末を迎えるらしい。
残された24時間。
何をすべきか考えてみた。
仕事は休み。
当たり前だ。
終わりが見えていて、誰が働く気になるだろうか。
恋人はいない。
終わりを一緒に嘆くことさえ出来ないのか。
こんなに切ないことは無い。
あたしを一番に思う他人がいないということは、終わる瞬間にあたしを思い浮かべる人がいないということに等しい。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ